現場から
米国を再び神の国に トランプ氏支える「新使徒運動」指導者は何者か
パサデナ=青山直篤
【動画】キリスト教指導者チェ・アン氏が主宰する米カリフォルニア州パサデナの「ハーベスト・ロック教会」=青山直篤撮影
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トランプ大統領の政治運動、MAGA(Make America Great Again、米国を再び偉大に)を「もう一つのMAGA」が支え、突き動かしている。米国を再び神の国に(Make America Godly Again)――。国家や社会を、自分たちの解釈による宗教的価値観に基づき再編しようとする「キリスト教国家主義」の勢力だ。
トランプ氏の共和党は長く「宗教右派」「福音派」などとくくられる保守的なキリスト教徒を支持基盤としてきた。「古めかしい信仰を守る白人信徒」という固定観念を抱かれがちだが、それでは捉えきれない形で進化している。
2020年の大統領選で敗れ、再起はないとさえ思われたトランプ氏の復権は、こうした支持層を抜きには語れない。そして、11月の中間選挙の鍵をも握っている。
そもそも、保守的で敬虔(けいけん)なキリスト教徒がなぜ、女性やカネの醜聞が絶えないトランプ氏を支持するのか。トランプ氏と結びつくことで何を得ようとしているのか。答えを探るには、この「もう一つのMAGA」の姿を知る必要がある。
中でもトランプ政権と深いつながりを持ち、米政界に強い影響を及ぼすようになった先鋭的な勢力が「新使徒運動(New Apostolic Reformation=NAR)」だ。
現実に起きていることを神の預言が文字通り現れたものだと確信し、政争ですら、不断に続く悪魔との霊的な戦いの一環とみなす。トランプ氏が敗れた後、21年1月に起きた米連邦議会議事堂襲撃事件への色濃い影響も指摘されている。
NARの中心的指導者の一人が、韓国系米国人のチェ・アン氏(70)だ。中間選挙を2カ月後に控えた9月上旬、そのアン氏がインタビューに応じた。
11月3日に中間選挙を控える米国について考える上で、キリスト教など宗教についての理解は重要な鍵を握ります。アン氏は2時間にわたって落ち着いた物腰で取材に答え、連邦議会議事堂襲撃事件の前後の自らの行動についても語りました。
アン氏の人生は、ある意味で「アメリカン・ドリーム」だ。
日本統治下の平壌で生まれたアン氏の父は、朝鮮戦争の休戦後、韓国に脱出。アン氏が生まれ、米国に渡った。そしてアン氏は一代で「米国、ことによると世界で最大の『使徒ネットワーク』」(NARに詳しい研究者マシュー・テイラー氏)を築き上げた。
16年の大統領選時点では…
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この記事を書いた人
- アメリカ総局長
- 米国、国際政治・経済、日米関係、近代史
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