視点・解説
野口駿
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GMOインターネットが運営するFX(外国為替証拠金取引)の自動売買などのために使われるサービスが不正アクセスを受けた問題で、「身に覚えのない取引で現金を失った」と訴える顧客が相次いでいる。攻撃者側にどんな狙いがあるのか。
被害を訴える複数の顧客によると、攻撃者とみられる人物から被害者あてにメールが送られていた。そのメールには、攻撃者側がGMOへ何らかの要求をしているとの内容のほか、被害者の取引アカウントにすでにログインしている、との主張が記されていたという。
サイバー攻撃に詳しい三井物産セキュアディレクション(MBSD)の福田美香さんは「事業者への圧力を高め、金銭要求につなげる狙いがある」とみる。
これまでも、データを暗号化し、復旧と引き換えに身代金を要求するランサムウェア(身代金ウイルス)による被害は相次いできた。
「国内外でも聞いたことがない」
ただ顧客の資産に直接打撃を与え、それを脅迫の材料にするという事象は珍しく、「把握する限り聞いたことがない」と福田さんは言う。「被害がセンセーショナルで、顧客がSNSなどに被害を訴えることで話題性を生み、企業に対して効果的に圧力をかけることができる」と分析する。顧客の不満を事業者側に向けさせることで追い込む狙いもあると考えられるという。
顧客が取れる対策として、福田さんは「サービスの基盤が攻撃された場合、利用者側で侵入そのものを防ぐことは難しい」と指摘。そのうえで事前の策として「2段階認証や取引・ログインに関する通知を有効にするほか、自動売買の口座に置く資金を必要最小限にするといった対策が有効だ」と話している。
メールのURL、「アクセスしない方が」
また、攻撃者からとみられる顧客宛てのメールには、「破壊行為を停止させるために連絡ください」という内容のメッセージとともに、URLが貼られていた。福田さんは「ウイルスがダウンロードされたり、個人情報がとられたりする可能性があるので、アクセスしない方がいい」と注意を呼びかける。
今回の事案を踏まえ、金融機関が同様にサイバー攻撃を受けた場合、預かっている顧客の資産に直接被害が出る危険性を指摘。「短時間に損失を出し続けるような極端な取引を検知し、取引や出金を止める仕組みを整えることが重要だ」と言う。
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この記事を書いた人
- ネットワーク報道本部(東京)
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