現場から
私は受刑者と笑っていいのか? 管理の「よろい」を脱ぎ始めた刑務官
黒田早織
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罪を犯した人の「懲らしめ」から「立ち直り」へと重点を移す拘禁刑の導入から1年余りがたった。受刑者の更生や社会復帰を進める改革だが、刑務官も変化を迫られている。
刑務官はこれまでと同様に規律と秩序の厳格な維持に努める一方、受刑者への寄り添いやケアも求められるようになった。現場にはどんな葛藤があるのか。現役の刑務官が朝日新聞の取材に応じた。
記事のポイント
・拘禁刑が始まり、刑務官にはケアの役割が求められている
・「管理」を重視してきた刑務官らには葛藤がある
・ケアと秩序維持のバランスとは
ある日の札幌刑務所。男性受刑者1人と、刑務官とソーシャルワーカーら数人が車座になって座っていた。
「今日の気分はどうですか。1人ずつ話してください」。ファシリテーターからのそんなごく普通の投げかけに男性刑務官(42)は強い抵抗を覚えた。「答えたくない」と思った。
同じ空間に受刑者がいたからだ。
札幌刑務所で2022年から始まった「当事者研究」のプログラムでの一場面だ。
当事者研究とは、自分の困りごとや生きづらさを「研究対象」とし、他者と語り合いながら対処法を探る取り組みを指す。
受刑者1人のために民間スタッフや刑務官でチームを組む。月に1回、これまでどんな人生を歩んできたか受刑者に語ってもらい、それを題材に参加者が対話するという試みだ。
「受刑者との私語」ダメな理由は
この刑務官は、処遇部門の主任として当初から当事者研究に参加してきた。「求められたのは、これまでの刑務官の勤務姿勢に真っ向から反する態度だった」という。
その一例が、場の緊張をほぐ…
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この記事を書いた人
- 東京社会部|裁判担当
- 司法、ジェンダー、中国、精神医療・ケア
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