視点・解説
【まとめてわかる】スマホ「遠隔解析」の法案 なぜ今、何が論点に?
編集委員・吉田伸八
[PR]
深刻化する匿名・流動型犯罪グループ(匿流)による犯罪被害への対策として、犯罪グループが使うスマートフォンなどの端末に遠隔で侵入し、情報を取得する新たな手法(遠隔解析)を警察庁が導入する方針だ。制度の手続きなどを定めた警察官職務執行法の改正案が閣議決定され、今後国会で議論される。法案のポイントと論点は――。
記事のポイント
(1)なぜ必要なのか
(2)対象のスマートフォンと情報は
(3)どうやって情報を取得するのか
(4)情報の管理はどうするのか
(5)適正性はどう確保するのか
なぜ「遠隔解析」が必要なのか
匿流による犯罪の被害は深刻化している。特殊詐欺の被害額は増加を続け、2025年は過去最悪の約3257億円(SNS型投資・ロマンス詐欺を含む)にのぼり、強盗殺人なども起きた。特殊詐欺の被害額は今年も8月までに昨年同期を3割超上回っている。
匿流の犯罪では実行役の募集や犯行の指示などに匿名性・秘匿性が高いアプリが使われ、次々と事件を起こす。通信事業者の協力や押収したスマホの解析では、指示役の特定や次の「標的」の解明が難しいのが実情で、そのハードルを越えるのが狙いだ。
法案では、遠隔解析の目的を、「人の生命や身体に危険を及ぼし、財産に重大な損害を及ぼすおそれのある犯罪(重大犯罪)」が既に行われたのを前提に、重大犯罪による被害の拡大や発生を防止するため、と規定した。
ただ、対象の犯罪はどういう…
この記事は
有料記事です。残り1874文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事を書いた人
- 編集委員|警察庁担当
- 警察行政、事件、犯罪
関連トピック・ジャンル
ジャンル
