現場から
手錠と足かせで強制送還、「非人間化」される移民 ある一家を訪ねた
ピエドラスアスレス=田村剛
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「本当につらい体験でした。でも何かの役に立つのなら、私たちに起きたことをお話しします」
中米ホンジュラスの小さな集落で暮らすオルリン・ロペスさん(32)と妻のルシアさん(32)は、そう言って私を家に迎え入れてくれた。
首都テグシガルパから車で約2時間。緑に囲まれたピエドラスアスレスは人口1千人ほどの集落だ。家の外にはたくさんのバナナが実り、その横で2人の娘、カミラさん(7)とアンヘレスさん(3)が遊んでいた。
一家は昨年まで米国で暮らしていた。南部ルイジアナ州にある人口約36万人の都市ニューオーリンズで6年余りを過ごしたが、「史上最大の強制送還」を掲げる第2次トランプ政権のもとで状況が一変した。オルリンさんは「不法移民」として母国ホンジュラスに強制送還され、残された妻と娘2人も帰国を余儀なくされた。
米政府によると、現政権下で強制送還された人は少なくとも60万人。大規模な摘発による強引な拘束や収容施設の劣悪な環境、親子の引き離しなどが問題になっている。
強制送還の対象とされた当事者はどんな体験をし、何を思うのか。夫婦はこれまでの出来事を詳しく語り始めた。
米国境の川を小舟で、生後22日の娘と
オルリンさんとルシアさんが米国を目指したのは2019年5月のことだ。祖国を出ると決めたのには理由がある。それまでに授かった2人の我が子が、生後すぐに命を落としたからだ。「3人目のカミラが生まれた時、絶対にこの子だけは死なせたくない、医療が十分な国で育てたいと思ったんです」
ブローカーの手引きで米メキ…
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この記事を書いた人
- ニューヨーク支局長
- アメリカの社会や文化、民主主義、人権、移民問題
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