深掘り
足立朋子
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前市長の職員へのパワーハラスメント問題に揺れる人口375万人の日本最大の市、横浜市の新たなトップに、弁護士の原沢敦美さん(59)が選ばれる見通しとなった。2人目の女性市長となる。弁護士になる前は、日本航空の整備士だったという異色の経歴の持ち主だ。
前職の辞職によって急きょ行われることになった市長選の有力候補として、原沢さんが報道陣の前に姿を現したのは1カ月ほど前の9月上旬。若手経済人らが「次の横浜を託したい」と立候補を要請する会見の場だった。
当初は悩む姿も
当時の肩書は弁護士のほか、大手海運会社やホテルチェーンの社外取締役、予備自衛官。過去には東京都の入札監視委員なども務めていた。法令順守や企業統治などに通じ、横浜市政の刷新を託せる適切な人材として、自民党などが擁立を模索していた。
当初は「スーパーで買い物もできなくなるのでは。悩む」「そもそも私にその能力があるのか」などと記者との懇談で吐露していたが、決断の背中を押したのは、社外取締役として席を並べた元京都府知事・山田啓二さんの言葉。「声がかかるなんて光栄。残りの人生を横浜のためにかけられる。受けなかったら一生後悔するよ」だったという。
もともと「やらない後悔よりやる後悔」がモットー。慶応大の学生だった20歳のとき、生まれて初めて乗った飛行機の「ふわっと浮く感覚」に感動し、まだ女性が珍しかった航空機の整備士を目指した。
12年間の会社勤めの後、私生活で弁護士に相談したのをきっかけに法律に興味を持ち、法科大学院を経て41歳で弁護士に転身。全く畑違いに思えるが、「どこに問題の本質があるかを見極め、解決を探る」思考回路が似ているという。パワハラで傷んだ市役所組織の立て直しや、よりよい施策の展開など、市長職にも共通すると考えている。
「ミス横浜」の経験も
生まれは東京だが、3歳から半世紀を横浜で過ごした。市制100年の1989年には「ミス横浜」も務め、ベイブリッジの開通式にも出席した。行政経験のなさや支援政党・団体とのしがらみを懸念する声もあるが、「青春のすべてがここにある」という横浜のために、身を粉にするつもりだ。リーダーとして、職員が安心して能力を発揮できるチームに市役所をし、質の高い行政サービスを市民に還元していきたいという。
亡くなった両親から引き取った愛犬「ゆず」と暮らす。編み物が得意でおそろいのセーターを作ることも。実は「あれこれ考えるタイプ」で、編み目を数えることで頭を空っぽにできるところが好きという。
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この記事を書いた人
- 横浜総局
- 保育・教育 労働、子どもの権利
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