スマホ情報取得の「遠隔解析」、迫る被害が対象 法改正案を閣議決定
編集委員・吉田伸八 光墨祥吾
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匿名・流動型犯罪グループ(匿流)による犯罪被害への対策として、犯罪グループのスマートフォンなどに記録された情報を警察が遠隔で取得する手法の導入にむけ、政府は16日、制度の手続きなどを定めた警察官職務執行法の改正案を閣議決定した。いまの臨時国会に提出する。施行時期は改正法の公布から6カ月以内としており、成立すれば来年にも実施できるようになる。
憲法の「通信の秘密」やプライバシーに関わる手法で、国会の審議では、厳格で適正な運用の確保や検証のための仕組みのあり方などを争点に議論が交わされるとみられる。
この手法は、警察が犯罪グループが使用するスマホなどにひそかにアクセスし、端末に記録された情報を取得・解析するもので、警察庁は「遠隔解析」と呼ぶ。匿流の指示役らの端末から、被害が迫っている人に関する情報などを入手し、被害を未然に防ぐのが狙いだ。相手の端末にマルウェア(悪意のあるプログラム)を仕込む「ポリスウェア」と呼ばれる方法などが検討されているとみられる。
警職法改正案では、遠隔解析の目的について、人の生命・身体への危険や財産に重大な損害を及ぼすおそれがある犯罪(重大犯罪)が既に行われ、同種の犯罪被害が発生すると認められる時に、被害の拡大・発生を防止するためと規定する。
裁判官の「許可」必要
対象を匿流とは改正案に明記せず、犯罪の種類も定めない。「数人の共謀」による犯罪を対象にし、被害防止のための緊急性と、他の方法では情報収集が著しく困難であることを要件にする。
警察庁長官が指名した「被害防止電子計算機調査官」が遠隔解析を行う。重大犯罪の犯人が、犯人同士の連絡や被害が迫った人への連絡に使ったと認められる端末に接続し、記録されている情報のうち被害防止に必要な情報に限り複写し、取得する。対象の情報は、被害が迫った人の氏名や住所、犯罪が行われる日時や被害防止のために必要な事項を示すものとした。
調査官は事前に裁判官の許可を得る必要がある。令状の請求では、要件を満たす理由やその端末を対象にする理由、複写・取得する記録の範囲を示し、それらが必要であることを証明する資料(疎明資料)を添える。遠隔解析の具体的内容と手順も記載する。
公安委員会への報告義務も
令状に記載のない情報を扱った場合は、調査官は他に提供してはならず、そのすべてを消去する義務がある。
調査官は原則として、措置を終えたら遅滞なく端末の使用者に通知する。また、実施するたびに公安委員会に報告する義務を定め、公安委は遠隔解析が適切に行われたかを確認し、適正性の確保のために、警察庁長官らに必要な措置をとるよう指示すると定めた。
警察庁は、匿流による特殊詐欺や強盗などの被害の深刻化を受け、対策を議論する有識者検討会を設置。検討会は8月から5回の議論を経て9月24日に、遠隔解析の制度を早急に導入すべきだとする提言をまとめた。改正法案は、提言に沿った内容となった。
■一橋大学・緑大輔教授 「国…
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- 警察行政、事件、犯罪
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