現場から
下山中に転倒…顔面血まみれになった私 「運」引き寄せた行動と反省
原知恵子
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遭難者のリアル 番外編
一瞬の出来事だった。
秋晴れの北海道・羊蹄山9合目付近。岩が転がるガレ場を下山中に足を滑らせ、転倒した。
「やっちゃった……」
直後は、その程度の認識だった。頭を岩にぶつけたが、激痛はない。意識もはっきりしている。「大したことはない」と思った。
だが、起き上がると、生あたたかいものがほおを伝った。血だった。あわてて救急セットからガーゼなどを取り出して対処を試みるが、出血はとまらない。やがて衣類は血に染まり、足元には血痕ができた。
無理のない計画だったと思う。装備も整え、ふもとの蝦夷(えぞ)富士小屋に前泊。山の状況を尋ね、「遭難は、あすはわが身」と自戒した、つもりだ。
それでも、失敗した。
今夏、安全登山をテーマに取材してきた記者が、シーズン最後の登山中、自ら負傷しました。自力で下山できましたが、医療用ホチキスで頭部3カ所を留めるけがでした。失敗を教訓につなげるため、番外編としてまとめました。記事中には血に関する描写や写真があります。苦手な方はご注意ください。
助かったのは「運」 善意に救われた
日本百名山・羊蹄山(1898m)は日帰りで往復8~10時間が目安。その9合目付近の岩で頭を打ち、顔や衣服が血まみれになった私が、自力で下山できたのは、「運が良かった」としか言えない。軽傷ですんだが、打ちどころが悪ければ、救助要請が必要だったかもしれない。
ただ、その「運」を引き寄せることにつながった行動もあった。
私にとって登山は、あくまで…
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