現場から
セキュリティー対策、どこまでやれば? 危機感強まるもコストに苦慮
原晟也
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不正アクセスによる個人情報の漏洩(ろうえい)が相次ぎ、サイバーセキュリティへの関心が高まっている。個人情報を扱う企業にとって急務の経営課題になってはいるものの、コスト面とのバランスに苦慮する。
来場者数は「前年の2割増し」
「セキュリティーの見直しをいま一度いかがですか?」。東京・高輪で開かれたサイバーセキュリティー専門のイベント「Security Days」では22日、来場者が出展企業の説明に耳を傾けていた。
イベントは2013年から全国各地で開催していて、今回、東京では21日から3日間の日程。主催するイベント運営企業「ナノオプト・メディア」の担当者によると、来場者数は「体感で前年の2割増し」だという。
背景にあるのは、企業を狙った相次ぐ不正アクセスだ。情報漏洩が会社の信用問題に直結することから、「経営課題として捉えている企業が多くなった印象だ」と話す。
人気の商品は
会場には125社の展示ブースが並ぶ。どのような商品が売れているのか。
出展していたセキュリティー関連大手の担当者によると、AI(人工知能)システムによってデバイスの脆弱(ぜいじゃく)性を調べ、攻撃を受けやすい危険な経路に優先順位をつけて防御する商品が注目を集めているという。最近の不正アクセスでもAIが使われていることが明らかになっており、担当者は「ユーザー側もAIを使って防御できる」とアピールする。
別の出展社によると、すでに不正アクセスの被害に遭っている企業も多く、「対症療法」として「脆弱な部分」にパッチ(修正プログラム)を自動で適用する商品が人気だという。
保護対象となるデバイスが増えたり、セキュリティーを高度したりすれば、費用はかさむ。「大手だと年で億は超える。中小企業でも数百万円以上はかかる」。コスト面でちゅうちょする企業も少なくないという。
「対策は絶対にしたほうがいいが、(セキュリティーへの支出で)本業が倒れたら意味がない」と担当者。「情報を守りたくても守れない小さい企業があるし、それを起点として取引先の情報まで取られる可能性もある。国からもっと補助が受けられたらいいのに」とこぼした。
「どうやって経営陣の理解を……」
飲食店経営会社でセキュリティー部門の課長を務める男性は「本当はすべてを網羅したセキュリティーシステムを導入したいのだが……」ともらす。懸念は、経営陣に対策への理解を得られるかだという。
社内にセキュリティー部門ができたのは数年前。経営陣からは過去にもコスト面などで対策を渋られた経験があり、情報漏洩が相次ぐ最近になって「どうなっている?」と聞かれるレベル。これを機にセキュリティーを高めるシステムの導入を進めたいが、「会社の利益の数%なら理解されるかな、などと模索している」という。
「リスクをとりながらでも、すこしずつ進むしかない」
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この記事を書いた人
- ネットワーク報道本部
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