現場から
多鹿ちなみ
【動画】2026年7月28日、熊本地震に見舞われたトヨタ系車部品メーカー「アイシン九州」の工場内=アイシン提供
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熊本地震からまもなく3カ月。震度6強に襲われたアイシン九州(熊本市)の工場を歩くと、10年前の熊本地震を教訓に重ねてきた備えの跡が随所に残る。その対策が生き、生産復旧は10年前の130日から19日に短縮した。一方、今回の地震で新たな課題も見えた。
アイシン九州は10月中旬に震災後に初めて工場内を報道陣に公開した。
工場の天井を見上げると、ダクトや水配管には補強が施されている。金型を保管するラックなど約8千カ所をアンカー(固定金具)で固定し、天井のクレーンには脱輪を防ぐ金具が取り付けられていた。
いずれも、10年前の苦い経験を教訓にした対策だ。
2016年4月の熊本地震では震度6弱の揺れに見舞われ、天井からつるしたダクトや水配管の8割が落下した。なかでも「衝撃的だった」(アイシン九州の小田浩一郎経営機能本部長)のは、天井のクレーンが落ちて500トンのプレス機を押しつぶしたことだった。金型も落下し、全ラインで代替生産を余儀なくされた。
アイシン九州は、自動車のドアの開閉角度を調整する「ドアチェック」の主力生産拠点。このため、当時は約8万台のトヨタ車の生産が遅れた。
「すごくみなさまにご迷惑をおかけした」。アイシンの西川昌宏取締役は振り返る。
それから10年、設備の落下防止に加えて、供給網も見直した。ドアチェックの3割を愛知県に分散し、在庫も多めに持つようにした。
「上からの落下物は…」 返ってきた言葉は
そして今年7月28日午後4時半ごろ。愛知県刈谷市にいた西川氏に「熊本で地震があった」と一報が入った。
とっさに「そんなことないだろう」と思ったという。だが、アイシン九州がある熊本市南区では、10年前を上回る震度6強を観測していた。
午後8時に開かれた最初の対策本部。西川氏が真っ先にアイシン九州の遠藤真社長に尋ねた。
「上からの落下物はないのか…
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この記事を書いた人
- 経済部|名古屋担当
- 経済政策、人権
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