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水戸市平須町のアパートで3年前、自身の子ども2人を刺殺したとして殺人罪に問われた母親の被告(42)の裁判員裁判の初公判が14日、水戸地裁であった。今井理裁判長から起訴内容を問われ、被告は「間違いございません」と認めた。弁護側は、被告の精神疾患の急速な悪化が犯行に影響したと主張。裁判長は「事実に争いはない」とした。公判では、被告の責任能力の有無や程度が争点になる。
起訴状などによると、被告は2023年7月23日午後11時55分~翌24日午前6時半ごろ、自宅アパートで、就寝していた小学3年の長男(当時8)と保育園児の長女(当時5)の首を包丁で突き刺して殺害したとされる。
冒頭陳述などで、検察側は、被告が殺人事件を起こすまでの経緯を明らかにした。
被告はシングルマザーで当時、長男、長女との3人暮らし。飲食店に勤務し、主にホールを担当した。
23年6月ごろ、店が定食からビュッフェ形式に変わるなどと知らされ、常連客から「もう来られなくなるね」などと伝えられた。不眠や食欲不振に陥り、「心因性うつ病」を発症した。
検察側は23年7月中旬から、うつ症状が悪化し、自殺を考え始めたと指摘した。児童相談所に通報され、子どもたちと引き離されるとして「私なしでは子どもたちは生きていけない」「死んだら天国で一緒になれる」と考えたと述べた。7月22日、スマートフォンで「綺麗(きれい)な死に方」と検索している。
7月23日夜から、就寝していた2人の苦しむ顔を見ないよう顔に布団をかぶせ、1回ずつ包丁で首を突き刺したとしている。
検察側は、被告が心因性うつ病にかかっていたことを指摘。「犯行に影響したが、その影響は著しいものではなかった」として犯行を思いとどまる「完全責任能力」はあったと主張した。
弁護側は被告が「病気に支配され、病的に狭い考えしか持てず、心中以外に子どもを救う道はないと思い詰めた」と指摘。心神喪失か心神耗弱であると訴え、無罪か減刑を求めた。
被告は、上下黒のスーツ姿で、髪は黒く長髪だった。白いマスクをしていたが、時折、タオルとみられるもので鼻をふいていた。来月5日に判決が予定されている。
殺人事件までの経緯
(検察側と弁護側の冒頭陳述などから)
2021年3月 太田亜紀子被告が夫と離婚。継真さんと梨心ちゃんの3人暮らしに
2022年9月 被告がパートとして飲食店で勤務
2023年6月ごろ 飲食店が定食からビュッフェ形式に変わるなど経営方針が知らされる。被告は常連客から「もう来られなくなるね」と言われる
6月末ごろ 被告が体調悪化。食欲不振や鼻が詰まるなど
7月中旬~22日 被告は職場のミーティングで過呼吸発作を起こす。一睡もできない日も。子どもたちの世話ができず、児童相談所に通報されると思い込み、自殺を考え始める
7月22日 スマートフォンで「綺麗(きれい)な死に方」と検索
7月23日日中 子どもと図書館やショッピングモールへ行く
7月23日午後11時55分~翌24日午前6時半ごろ 被告が自宅アパートで2人を包丁で殺害したとされる。気を失い、目を覚ました後、自ら110番通報
